GEN-B 旬の料理帖

旬の素材【次郎柿】 #22

石巻山が育む、秋のごちそう次郎柿。

 標高358m、豊橋の東にそびえる石巻山。その麓一帯は、全国でも有数の次郎柿の産地として知られています。四角ばったかたちが愛らしいこの柿は、大正の頃に石巻町で栽培が始まり、温暖な気候と昼夜の寒暖差、そして風が強いことで甘みが凝縮され、いまや豊橋を代表する秋の味覚のひとつとなりました。
 次郎柿の魅力は、何といってもその食感と甘さ。果肉がぎゅっと詰まり、噛めばコリッとした食感、雑味のない澄んだ甘みが特徴です。熟すと一転してやわらかく、とろけるような口当たりになり、ひとつの果実で2度の味わいを楽しめるのも魅力です。
 ビタミンCをはじめ栄養成分も豊富で、風邪予防や美容効果も期待されるヘルシーフルーツ。成熟するにつれて水溶性タンニンが不溶性に変化するため、渋みを感じにくく甘みが強くなります。タンニンには高血圧予防や二日酔いの軽減などが期待できるとして、昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われてきました。
 石巻の農家では、実の数を抑えてひとつひとつを丁寧に育て、品質を守り続けています。生食や干し柿はもちろん、セミドライに加工した「柿あん」といった新しい楽しみ方など、地域の味として広く親しまれています。
 コリッとした果肉の甘みに、ほどよい塩気のちくわや練りものは好相性。季節の香味野菜と合わせれば、滋味深い秋の一皿が生まれます。多彩なアレンジをお楽しみください。

旬のレシピ

  • 料理制作:フードコーディネーター 岡嶋芳枝(yoshie okajama)
  • 料理撮影:フォトグラファー 三浦藤一 (toichi miura)
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