ホテルアソシア豊橋 美食会2025
「MUSUBI ー結ー」開催日 | 2025年6月22日(日) 17:00~20:00 |
---|---|
場所 | ホテルアソシア豊橋 ザ・ボールルーム(5F) 愛知県豊橋市花田町西宿 ホテルアソシア豊橋(豊橋駅直結) https://www.associa.com/tyh/ |
お話 | 福井酒造株式会社 代表取締役社長 福井知裕 https://www.fukui-syuzo.co.jp/ヤマサちくわ株式会社 七代目 代表取締役 佐藤元英 https://www.yamasachikuwa.com/ |
お食事 | フランス料理フルコース/ちくわ炭火焼き体験/料理に合わせたお酒・ノンアルコールドリンク |
東三河の玄関口・豊橋駅に直結するするホテルアソシア豊橋。地域を代表するフラッグシップホテルとして、上質な宿泊空間に加え、地元食材を活かしたフレンチや和食など、食の魅力を発信し続けています。2025年6月22日(日)、美食を通じて人と地域を結ぶ特別なイベント「ホテルアソシア豊橋 美食会2025 MUSUBIー結ー」が開催されました。
地域の食材や文化を発信し、人と人を結び付ける活動を続けてきた「豊・食・人 GEN-B」としても、初の豊橋でのホテル開催が実現しました。
当日は、豊橋を代表する老舗企業 ヤマサちくわ株式会社 七代目 佐藤元英社長、そして 福井酒造株式会社 五代目福井智裕社長が登壇。素材と製法にこだわった“ものづくり秘話”に学び、地元食材を活かした料理や銘酒をあますところなく堪能した一夜でした。
会の初めにまず登壇したのは、ヤマサちくわ株式会社 七代目佐藤元英社長。2028年に創業200年を迎える老舗の歴史を紹介しつつ、「練り製品は日本が誇る伝統食品。だからこそ“練る”という製法にこだわり、本物の味を次の世代に伝えたい」と熱く語りました。
ヤマサちくわでは、生の魚を石臼で練り上げる製法を守り続けています。手間のかかる製法ですが、独特の風味や食感を生み出し、「本物の練り製品」を支える基盤となっています。
さらに佐藤社長は、地元小学校での食育活動についても紹介。3年生を対象に、子どもたちが自ら竹にすり身を巻き付け、炭火で焼き上げる体験を提供しているとのこと。「自分で作ったちくわを食べる子どもたちの笑顔が何よりの財産」とのお話に、大きな拍手が送られました。
ヤマサちくわが創業200周年に向けて発足した『豊・食・人GEN-B』についてもご紹介。「豊橋の豊(ゆたかさ)、食の魅力、そして人の出会い」を結び、新たな価値と交流を生み出すことを目的に、各地の農水産物の生産者、企業との連携、料理人や専門家、クリエイターとのコラボレーションを通じて、豊橋・三河の食文化を次世代へと伝えていく取り組みを続けています。
GEN-Bの交流会を通じて数多くの料理人やレストランと出会い、そのつながりから新しい挑戦も。たとえば、東京・渋谷の セルリアンタワー東急ホテル のレストランとのコラボレーションでは、これまでになかった“練りもの物フレンチ”を実現しました。その他にも『東京會舘』をはじめ、各地の有名レストランなどとタッグを組み、練り製品の新たな可能性を提案し続けています。
また、愛知県新城市にある 四谷千枚田の保全活動 にも参画し、毎年田植え・稲刈りツアーを企画・開催。社員や地域の人々、さらにはGEN-Bの仲間とともに、汗を流しながらお米作りを体験しています。収穫されたお米は、セルリアンタワー東急ホテル でのランチセミナーで実際に提供。都心のホテルレストランで、愛知産のお米が料理人の手によって洗練された一皿に仕上げられる。そのプロセス自体が「地域と都市」「生産者と消費者」を結ぶ物語を育んでいます。
今回のホテルアソシア豊橋の主催による美食会のテーマ「MUSUBIー結ー」にも、 食材と料理人、地域企業と参加者、そして伝統と未来を結び、新しい可能性をひらくという理念が凝縮されました。
続いての登壇は、福井酒造株式会社 代表取締役社長・福井智裕氏。創業123年を超える酒蔵の歩みを紹介しながら、日本酒造りの魅力を分かりやすく解説しました。
特に印象的だったのは「麹の力」についての話です。日本酒は米に糖がないため、麹を造り、その糖を酵母に食べさせることでアルコールを生み出します。福井氏は「並行複発酵」という日本酒独自の製法が、世界的にも稀有であることを強調しました。
杜氏の王恒成氏も登壇し、精米から洗米、蒸し米、麹造り、三段仕込み、発酵に至るまでの工程を丁寧に説明。普段はなかなか知ることのできない日本酒造りの裏側に、参加者は熱心に耳を傾けました。
この日のハイライトのひとつとなったのが、ヤマサちくわのオファーから誕生した特別な日本酒です。通常、日本酒はタンクで熟成されますが、今回提供されたのは フランス産オーク樽で約2カ月間寝かせた限定酒。お米には岡山県産「雄町」を使用し、樽由来の芳醇な香りと米の旨味が調和した、新しいジャンルの一杯でした。
今回のディナーは、単に地元食材を使った料理という枠を超え、練り製品の新たな可能性を探る試みでもありました。準備段階から、ヤマサちくわの佐藤社長とテルアソシア豊橋佐藤隆幸総料理長とが直接打ち合わせを重ねました。ちくわやすり身といった製品の特徴を理解してもらうことからスタートし、試作と議論を繰り返しながらメニューが練り上げられていきました。
また、福井酒造との連携によって、日本酒とのマリアージュも入念に検討。料理ごとに異なるお酒を合わせ、何度も組み合わせを試しながら、互いを引き立て合う最高のバランスを追求しました。
お待ちかねのディナーでは、三河の食材とヤマサちくわの練り製品を組み合わせた特別なフランス料理をご提供。いずれも地元の素材を活かし、伝統と革新が交わる一皿としてお楽しみいただきました。
【アミューズ】
【前菜】
【魚料理】
【肉料理】
【デザート】
【ペアリング(日本酒)】
ホテルのボールルームでは初めての試み!「炭火焼きちくわ体験」では、佐藤社長・佐藤副社長の“ちくわブラザース”がその場ですり身を練って、鮮やかな手つきで竹に巻きつけ、ゲストの皆さん自ら炭火で焼き上げていただきました。ちくわをくるくる回しながらワイワイ、食べるだけではなく“作る楽しさ”を共有できる貴重な時間となりました。
食と酒に酔いしれながら互いに交流を深め、会場は自然と会話が弾む和やかな空気に包まれて。参加者の方々からは、「豊橋の食材の可能性を再発見できた」「練り物とフレンチ、日本酒のペアリングに驚いた」「ヤマサちくわや福井酒造の挑戦に誇りを感じた」「焼きたてのちくわの美味しさに感動した!」といった感想が寄せられました。
佐藤社長からは、世界最高品質と言われるカンボジア産クラタペッパーを使った〈黒胡椒豆ちくわ〉や、この日のデザートにも登場したすり身と豆乳を使った新感覚スイーツ〈と・と・たま〉など、異業種や異素材とのコラボ商品開発についても紹介。「食いしん坊の輪はどんどん広がって楽しいんです」と語る佐藤社長の言葉に、伝統を守りつつさらなる挑戦が未来を豊かに切り開いていくというバイタリティを感じました。
「MUSUBI ー結ー」という言葉の通り、今回の美食会は人と人、食と文化、伝統と未来を結ぶ特別な一夜となりました。GEN-Bの活動は、単なる食イベントではなく、地域の誇りを次の世代へ受け渡す取り組みです。次の交流会の機会にも、ぜひご期待ください。