活動レポート

名古屋調理師専門学校「ヤマサちくわ特修講座」

ちくわと練りものの歴史を学び、
ヤマサちくわとコロッケづくりを体験!

開催日 2018年10月5日(金)
場所 学校法人 糸菊学園 名古屋調理師専門学校

名古屋市瑞穂区新開町 5-3

お話 ヤマサちくわ株式会社
七代目 代表取締役 佐藤元英
https://yamasa.chikuwa.co.jp/

名古屋調理師専門学校にて プロの料理人をめざす学生の皆さんに
講座+実習を通して、練りもののおいしさを伝授

 ユネスコ無形文化遺産にも登録された「和食:日本人の伝統的な食文化」。海に囲まれ、森に育まれた恵み多き日本の食文化を、より豊かに、愛をもって味わうことで、人に良い「食」を次の時代へと伝えていきたい。
『豊・食・人 GEN‐B(げんび〜)』では、こだわりの食や本物の味を楽しみ学ぶ交流会をはじめ、より多くのみなさんとの学び合い、日本の食文化の伝承・啓蒙を目的に、教育・文化・生涯学習など様々なシーンでの講座・セミナー等も企画・展開しています。

 秋の好日、名古屋調理師専門学校にてヤマサちくわの「特修講座」が開かれました。

 名古屋調理師専門学校は、次代の食文化を担う調理師、シェフを育てる養成機関として、1967年(昭和42)に創立。高校課程から社会人まで、幅広いコース、カリキュラムのもと夢の実現をめざし日々学んでいます。
 同校では、通常の実習以外に年間100講座を超える「特修講座」が開催され、参加自由、無料で受講できます。今回、GEN-B初の「ヤマサちくわ特修講座」を開講。プロ仕様の設備を完備した校舎に、講師を務める佐藤元英社長も関心しきりの様子でした。

 「学生たちにどういう風に話したらわかりやすいかなあ」と、事前の資料をチェックし、意欲満々で教壇へ。
 高校課程、専門課程、福祉食を学ぶ学生など多くの希望者が受講。約60分の講義、付け出刃で職人と同じようにちくわを巻き、炭火で焼いたり、ヤマサちくわ風カニコロッケをつくるなど、たっぷり170分の授業となりました。

 まずは日本の魚食文化の歴史から。東海道そして塩の道という2つの道を運搬する中生みだされた竹輪や蒲鉾などの先人の保存・加工の知恵について、スライドを見ながら説明。
 「蒲鉾」は、蒲(がま)の穂を模した現在の竹輪が起源であると話しながら、「みんな蒲の穂って見たことがあるかなあ」と苦笑いする佐藤社長。そういえば、最近都心部ではほとんどその姿を見かけなくなりましたね。

 江戸時代からの創業、佐藤社長で7代目というヤマサちくわの歴史に、高校生たちは目を丸くして「すごい!」と感嘆の声。材料の鮮度と弾力を表す「アシ」や塩と加熱によって変化するタンパク質の網状構造についてなど、熱心にメモを取りながら聞き入っていました。

 ちくわ、蒲鉾、伊達巻の試食では、「いつも食べているのと歯ごたえが違う」「おいしい」とたくさんの手が伸びていました。

 講義の後は、お待ちかねのちくわ巻き・炭火焼実習。炭壺と焼き台ごと持ち込んでの実習に、生徒達も興奮気味。
 佐藤社長はじめ職人達のすり身を扱う付け包丁使いを目の当たりにして、歓声が沸きあがります。実演後は、遠慮することなく代わる代わる付け包丁を手に、自分たちでも竹輪巻きに挑戦!

 思った以上のすり身の弾力に、最初は四苦八苦していた学生達。ヤマサちくわの職人、佐藤社長自ら各グループの調理台にて、手を添えつつコツを伝授していきます。
 慎重にすり身を整える真剣な眼ざし、職人のアドバイスでみるみるうちに上手に竹軸に巻きつけられるようになるところは、さすが調理人の卵たち。見込み十分!と職人達からも太鼓判をもらっていました。

 なんとか形を整えたら、次々と焼き台へ。はじめのうちは根気よく回し焼き。ふっくらしてきたら、穴を開けて空気を抜きながら均等に焦げ目がつくよう加減して焼きあげていきます。「炭火の遠火」を体験できる貴重な機会!?

 こんがりと香ばしい焼きたてちくわを「アチアチ」と頬張る学生達。先生方も学生達とと同じ笑顔になっちゃいます。
口々に「ちくわがこんなにおいしいとは思わなかった」「ちくわ最高!」とおおいに盛り上がりました。

 ヤマサちくわ自慢の新鮮で上質のすり身、たっぷりの蟹身を使ったコロッケづくりでは、学生達が次々と得意の技術を披露。カスタード作りが得意というパティシエ志望さんは、粉物担当。「マイ包丁ケース」を開き、トトトントントントンという快い音で鮮やかにキャベツを刻む“千切り名人”も。

 調理、配膳と、自然に担当に分かれて流れ作業でスムーズに仕上げていく学生達。こうしたオペレーションも、プロの料理の現場では重要です。

 こんがりきつね色、ふわっふわのすり身の中にはたっぷりの蟹!大ぶりのコロッケにかぶりつきながら、「これはまた作ってみたい!」と意欲的なコメントもいただきました。

 後片付けの手早さは言うまでもなく、調理台はあっという間にピカピカスッキリ!衛生管理についても、基礎としてしっかり身についているところはさすがです。みなさんの清々しい笑顔が印象的でした。

 名古屋調理師専門学校では、翌月11月17日(土)全校行事の公開講座『食でつなぐ伝統』でも、ヤマサちくわの食育講座を開講。その様子もまたお伝えしていきます。

● 名古屋調理師専門学校


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