四谷の千枚田(愛知県新城市)
開催日 | 2024年9月14(土)・15日(日) ※稲刈りは15日 |
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場所 | 豊橋グルメと職人体験/奥三河・四谷千枚田での稲刈り/奥三河観光 |
ご案内 | ヤマサちくわ株式会社 七代目 代表取締役 佐藤元英 https://yamasa.chikuwa.co.jp/ |
新米も まだ艸(くさ)の実の匂ひ哉 蕪村
今年の夏はひときわ気温も高く、水不足だったり、さらには残暑がずいぶんと長引きました。また各地で米不足が話題なり、“令和のコメ騒動!?”などと騒がれるまでに。その影響からか、9月になるやいなや早々と新米が出回るなど、まさに「艸の実の匂ひ」が残る“はしり”の米が先買されているようです。
気候変動が日本人の主食にも少なからず変化をもたらしている昨今ですが、瑞穂(みずほ)=瑞々しい稲穂が豊かに実る国として、古事記や日本書紀では日本のことを「瑞穂の国」という美称で綴られてきました。「豊・食・人 GEN-B」のブランドマークも、“穂の国”をイメージした稲穂がモチーフになっているのをご存知でしたか?
日本の棚田百選、日本三大石積みの棚田のひとつに数えられる『四谷の千枚田』も、9月になると黄金色の稲穂が頭を垂れはじめ、豊穣の景色へ。春は水鏡、夏は青々とした苗、稲刈りの頃の稲穂の黄金色や天日干しの“はざかけ”風景が風物詩となって、近年は観光客も多く訪れるようになりました。
この貴重な棚田の保全に尽力されているのが、『鞍掛山麓千枚田保存会』。平成9年の発足から長年精力的に活動を続ける小山舜二会長、原田英史理事はじめ地元有志の皆さんにより、“奥三河の至宝”を次世代へと継ぐ取り組みが続けられています。
豊橋に本社のあるヤマサちくわ株式会社では、この棚田の保全活動に賛同して田圃オーナーとなり、社員研修の一環として米づくりに参加。2021年より【ヤマサちくわ・棚田オーナープラン】を立ち上げ、毎年田植え・稲刈りツアーとして訪れています。棚田オーナーは2025年も引き続き募集します。
収穫した新米「ミネアサヒ」は、美味しい秋、実りの秋を3回に分けてお届けする〈さんかい美味くらぶ〉でお楽しみいただけます。
今年も新緑まばゆい5月に、奥三河・渥美半島の美味しいものを巡るGEN-Bの田植えツアーを開催。田圃面積も少し広がり、保存会の皆さんのご指導のもと全員で力を合わせて、愛知産ミネアサヒの苗を手植えしました。
それから約4ヶ月、9月とは言ってもまだまだ暑い中でしたが、「豊・食・人 GEN-B 稲刈りツアー 2024」を開催し、新米の稲刈りに訪れました。
毎回東京や名古屋からの参加者と一泊二日で、ヤマサちくわ 七代目 佐藤元英社長、佐藤善彦副社長が厳選した「豊橋グルメと職人体験/奥三河・四谷千枚田での稲刈り/奥三河観光」を楽しんでいただくという盛りだくさんな企画です。
まずは、【新米収穫編】として、稲刈りの様子をご紹介します。
田植えはすると言っても、米作りはそれからの草取りやお世話が肝心です。除草剤を使わない自然農法・無農薬有機農法の田んぼは、八反(はったん)を転がして人力で除草します。
「オタマジャクシをイモリやヤマカガシが追うことでも、除草効果が生じます。また、カエルが稲に上り、一日200匹の害虫を食べれば、殺虫剤を撒く必要も無くなります。田んぼの生きものは、それぞれが食事をして排泄し、それが自然の肥料ともなる。こうして、ここでは生きものと共生した体にやさしい米づくりを実践しています」。(小山さん)
お天気勝負の農作業。梅雨、酷暑、雨不足、台風と、日々お天気を伺いながら、心配は尽きません。特に棚田の水管理は難しく、小山会長はじめ保存会のみなさんが常に状態を見つつ調整、工夫し、お世話をしてくださっているのです。本当にありがたいことです。
近年の深刻な悩みは、「獣害」。昨年はニホンジカ、イノシシ、サルの軍団が侵入し、千枚田のほぼ全戸の田んぼに被害をもたらしたそうです。今年も私たちが稲刈りに訪れた際、地元小学生たちが稲架掛け(はざかけ)をした稲穂を、ニホンジカが食い荒らしてしまうという被害を目の当たりにし、胸が痛みました。
最近では若いサルが何十匹も群れをなしてやって来るそうで、昼夜問わず見廻りをしたり、爆竹を鳴らしたり、5分ごとに威嚇する「爆音器」を設置するなどして対策をしていますが、イタチごっこ。「ほんものの人!?」と見まごう名物案山子が、棚田のそこかしこにいますが、どうやら獣たちには仲間に見えているようですね。
動物にも人里を荒らさざるをえない環境や状況があることを思うと、対抗すること以上に深く考えさせられることでもあります。
愛知県産米「ミネアサヒ」は、愛知県農業総合試験場が育成し、1980年に品種登録され、豊田市、新城市、岡崎市などの主に中山間地域で栽培されています。新潟のコシヒカリに類似し、粘りが強く冷めてからも美味しい艶のあるお米です。
厳しい暑さの中でも、鞍掛山の麓といった奥三河は比較的気温が低く、稲の生育は順調だったとのことで、穂にはしっかりお米が実り、稲刈りにも気合いが入ります。
まずは小山会長に保存協会の取り組みや思い、年々稀少になりつつある棚田の現況についてもお話しいただき、より多くの棚田ファンがオーナーとしてシェアして親しむことの大切さを感じました。
稲架を眺めながらゆるやかな坂道を上がるだけでも汗ばむ暑さです。まずは鎌で手刈りした稲束の藁でのくくり方を、小山会長直々にレクチャー。リピーターも初心者の皆さんも、玉の汗を滴らせつつ、一心に刈り進めていきます。
まとめた稲穂は、予め組まれた「はざ木」に掛けて、じっくりと時間をかけて天日乾燥をさせます。通常はコンバインで稲を刈り、乾燥機へ入れて効率よく乾燥させますが、手植え、無農薬、手刈りにはざ干しと、昔ながらの手間暇かけたお米は、「やっぱりおいしーい!」このおいしさが味わえるなら!と棚田オーナーに参加してくださるGENBIANSに感謝です。
2022年、2023年とヤマサちくわとのコラボレーション【穂の国とよはし・東三河の歴史と食文化のランチセミナー】を企画開催されているセルリアンタワー東急ホテル(東京・渋谷) 太田秀貴マネージャーも、東急グループの桐紋法被姿で再び参加してくださいました。
実はこの日は朝方まで雨予報で、「稲刈り作業は断念」と諦めていたのですが、幸いにも千枚田にはほとんど降らなかったようで、急遽GOサインが!さすがは食GEN-Bの食いしん坊パワー、自分たちで美味しいお米の収穫ができて大満足でした。
『鞍掛山麓千枚田保存会』の皆さん、今年も田植えから収穫まで、暑い夏を乗り越え細やかにお世話いただきありがとうございました。
昨年に続き、今年収穫した新米も、セルリアンタワー東急ホテル『Japanese Cuisine 桜丘』での「穂の国とよはし・東三河の歴史と食文化のランチセミナー」にて、奥三河新城市や東三河の食材とともに味わっていただきます。ぜひ、皆さんもご参加ください。
セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)日本料理『Japanese Cuisine 桜丘』にて、「美食を通して渋谷・桜丘より世界に誇る日本文化を発信する」企画と ヤマサちくわ・GEN-B交流会とのコラボ開催が大好評のため、第3弾を開催します。
開催日 | 2024年10月27日(日) |
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時間 | 受付12:00~ 開宴 12:30 |
料金 | 1名さま 7,700円 ※事前予約入金制 |
内容 | 佐藤元英氏によるレクチャー/ちくわ焼き上げ体験 日本料理コースメニュー/日本酒2種またはノンアルコールドリンク |