活動レポート

長谷園オンライン土鍋ワークショップ

「ヤマサちくわのおでんを土鍋で楽しむ会」

開催日 2022年2月22日(火)10:30〜12:00(約90分)
お話 ヤマサちくわ株式会社
七代目 代表取締役 佐藤元英
https://yamasa.chikuwa.co.jp/
進行 長谷園 土鍋コーディネーター 竹村謙二
長谷園 東京店『igamono』 長谷伊佐子
豊・食・人 GEN-B事務局 堀田雅湖
場所 長谷園 東京店『igamono』
東京都渋谷区恵比寿4-11-8 1F 電話:03-3440-7071
https://www.igamono.co.jp/about/tokyo_igamono.html

2月22日“おでんの日”にオンライン開催! 「伊賀焼土鍋」でおでん・燻製づくりに挑戦!

 伊賀焼発祥の地・三重県伊賀市にて、今年2022年に190年を迎える老舗窯元『長谷園/長谷製陶株式会社』。「作り手は真の使い手であれ」の精神のもと、時代とともに変化、進化する食文化やライフスタイルにおいて、使いやすく、美しく、楽しく暮らしになじむ陶製調理具を追求。遠赤外線効果でおいしく炊き上げる炊飯土鍋<かまどさん>はじめ、数々のヒット商品で注目を集めています。

● GEN-B旬のひと・もの・こと特集


 長谷園では、アンテナショップとして東京店『igamono』を開設。伊賀焼土鍋を各種取り揃え、その魅力や使い方を紹介するとともに、オリジナルレシピの開発など「土鍋のあるおいしい生活」を提案しています。

 2020年8月に渋谷区恵比寿に移転した新店舗には、広々とした厨房設備も完備し、定期的に料理教室やデモンストレーション等を開催。リモートでの<オンライン土鍋ワークショップ>も人気です。

 今回の開催日は、2月22日「おでんの日」(2007年に新潟県「越乃おでん会」が制定)。江戸時代から190余年続く『ヤマサちくわ』(愛知県豊橋市)自慢のおでんキットを、参加者のご自宅に事前にお届けし、土鍋でアツアツを「ふーふーふー」と味わっていただく内容です。

 おでん以外にも、燻製土鍋<いぶしぎん>で、おつまみサイズの<豆ちくわ・黒胡椒豆ちくわ>の燻製づくりに挑戦したり、新開発の電気コンロ<あぶり名人 >で、焼きたてちくわの実演もご紹介。  ヤマサちくわ株式会社七代目 佐藤元英社長もオンラインで参加、練りものやおでん・日本の魚食についてレクチャー後は、皆さんと一緒に燻製づくりを楽しんでいただきました。

● 内容

  • 練りものやおでん・日本の魚食のお話
  • ヤマサちくわのおでんを土鍋で楽しむ(「ビストロ蒸し鍋 大」使用)
  • 練りものの燻製(「いぶしぎん 小」使用)
  • ちくわの炙り焼き実演(「あぶり名人 長角」使用)

豊橋名産「ヤマサのちくわ」ヒストリー 江戸時代からの歩みと魚食文化へのこだわり。

 はじめに長谷園 東京店『igamono』 長谷伊佐子店長より、おでんキットの確認や準備、プログラムについて説明があり、進行役の土鍋コーディネーター 竹村謙二さん、豊・食・人 GEN-B事務局 堀田雅湖さんへとバトンタッチ。参加者からの質問やメッセージは、随時チャットで投げかけてもらいます。

 まずは佐藤社長からご挨拶。今年のおでんの日は、2022年2月22日と「ふーふーふー」がさらに2倍!さらに佐藤社長のお誕生日でもありました。

佐藤: 63歳を迎えての記念となるイベント、はりきっていきます!

 まずはビデオで、豊橋市に本社・工場のあるヤマサちくわ株式会社について、創業190余年の歴史とともに、1000年の歴史ある【豊橋鬼祭】や【手筒花火】など豊橋の文化についてもご紹介。早朝に届く鮮魚を職人たちの手で仕込みをしたり “塩梅”の吟味をするなど、匠の技の継承とともに新たな取り組みについても伺いました。

 「弊社では昔から“鉛は金に変わらない=良い材料を使わなければ本物の味にならない”と伝え継がれてきました。会社全体が家族として社員一人ひとりと向き合い、さらにお客様に対してもファミリーのように接することのできるホットな会社を目指しています。真面目で一所懸命仕事をする社員ばかりで、それが私のいちばんの自慢です」。

 東海道吉田宿(豊橋市)に誕生した魚市場から、現在ヤマサちくわ本店のある魚町の歴史、太平洋と三河湾に面した東三河「片浜十三里」のロケーション、豊川の大橋から伊勢神宮に向けての海路、長野県に繋がる塩の道など、宿場町・城下町・港町としての地の利とともに発展していったちくわヒストリーなど、スライドを使ってレクチャー。
 練り製品の特色である「味」と「テクスチャー」についても、基本となる「塩梅」によって生まれる独特の食感=アシの大切さについて詳しく学びます。

佐藤: ヤマサちくわでは、基本は産地から魚を仕入れるところから始まります。主に愛媛県の八幡浜、その他にも岡山、和歌山、長崎など。味が良いエソ・ハモ、食感の良いグチ(イシモチ)などがヤマサちくわの主な原料です。
近年は水温の上昇などの影響で水産資源も激減しており、水揚げされる場所が北上するなど変動が大きくなっていますね。
弊社では、100年以上大切に使い続けている石臼など昔ながらの伝統的技術はしっかり残しつつ、一朝一夕ではない職人の育成も大切にしています。また、他業界の技術も貪欲に取り入れ、新しいことにも挑戦するなど、「おいしいしいものを作るには努力を惜しまない!」という姿勢で取り組んでいます。
このコロナ禍においても、NHK朝の連続TV小説『エール』で豊橋ちくわが登場したり、TV番組でも多く取り上げられ、話題となりました。

竹村: 日本は魚食文化の国ですが、最近は魚の摂取量が減っているそうです。佐藤社長が「ヤマサちくわを食べることも魚食」と言われる理由は?

佐藤: 一般的に魚1尾の可食部は3分の1程度と言われます。ヤマサちくわの場合は、1本80〜100gあたり12〜13gのたんぱく質を摂取することができるため、約3倍近くの魚を食べていることになります。高タンパク・低カロリー食として、最近は「筋トレ+ちくわ」が注目されていますよね。ただし、つなぎに植物由来のデンプン質が多く使われているとタンパク質量は低くなってしますが。

堀田: おいしさはもちろん、健康のためにも、やっぱり混ぜ物の少ない本物であることが大切ですね。

参加者の皆さんと一緒に体験! 長谷園<いぶしぎん>で豆ちくわを燻煙。

 燻製の材料は、おつまみとして人気の「豆ちくわ」2種(プレーン・黒胡椒)をご用意。燻製土鍋<いぶしぎんを>使用し、卓上で燻製をつくります。

竹村: おつまみにぴったりなのがこの豆ちくわ。長谷園八代目長谷康弘社長も、新幹線での出張の帰りには必ずビールのお供として欠かさないというほどのお気に入りだそうです。

佐藤: <黒胡椒豆>は、クラタペッパーがカンボジアで無農薬栽培している黒胡椒を使用しています。ピリッと辛みも香ばしく、燻製におすすめです。

● GEN-B 旬の料理帖 旬の素材【スパイス】 #05


ポイント1
  土鍋の底をぴったりと覆うようにアルミホイルを敷き、その上に大さじ1杯の桜のチップを“ドーナツ状”に敷く。

竹村: 少量のチップで煙が回りやすく、肉や魚など水分や油分の多い食材でも、火が消えにくくなるのでおすすめです。さらにもう一枚アルミホイルを器状にしてチップに被せれば、濡れることはありません。
溶けやすいチーズの場合、下に蒲鉾を敷くという裏技もあります。

 網を2段使いにして2種類の豆ちくわをセット。

ポイント2
  煙が出てくるまで蓋をしないこと。蓋をすると中が酸欠状態となり、チップが燃えない可能性があるためです。

竹村: 3〜5分すると、モクモクとした煙ではなく、「ホワホワ」と湯気のような感じの煙が出てきます。まれに早く煙が立ち始めることがありますが、これは土鍋が吸っている水分が湯気になっている場合がありますので、匂いを嗅いで判断してみてください。

ポイント3
  香りと煙がふわっと立ち始めたら蓋をします。1〜2分で蓋の縁から煙が出てきたら、大さじ2ぐらいの水を隙間に注ぎます。

竹村: 蓋の肌に伝わせるようにして流すとうまく行き渡ります。強火のまま5分、タイマーをかけて待ちます。

ポイント4
  火を消すタイミングの裏技は、手のひらを蓋に当ててみること。冷たく感じる時はまだ火が回っていない状態、人肌の暖かさになっていたら消してもOK! 

ポイント5
  蓋をしたまま、20分放置して香りをまとわせます。

竹村: 少ないチップでしっかり燻煙できる理由は、<いぶしぎん>の構造にあります。蓋と本体の間に水を張るシーリング効果で、煙が外に漏れず、しかも内側の熱と外側の温度差により真空状態になることで、香りも風味も食材にしっかりつくというわけです。
このシール構造は、食いしん坊の七代目長谷会長が、なんとしても食卓上で燻製をつくりたいと言い出したことがきっかけで開発されました。周りの反対にもめげず、おいしいものを食べたい一心で諦めなかったそうです(笑)。ある時、お孫さんとお風呂に入っていて、湯船に被さっていた洗面器をヒントに開発されたというエピソードは、GEN-B(げんび〜=食いしんぼう)とも通じるものがありますね。

あたためるだけの手軽なおでんセット ヤマサちくわは、“後入れ”がおいしさのコツ。

 たっぷりのおでんつゆで煮込まれた大ぶりの大根、こんにゃく、玉子がセットされているヤマサちくわのおでんセット。土鍋に入れて温めるだけでおいしくいただけますが、ヤマサちくわの練りものをおいしくいただくコツは、“煮込みすぎない”こと。「グツグツ」ではなく、「コトコト」の火加減が基本です。

佐藤: 弊社のおでんだねのうち、特にでんぷん質の少ないちくわやはんぺんは、最後に入れて温める程度で仕上げます。おでんは長く煮てよく味をしみさせる “味しみ”をイメージされがちですが、それはでんぷん質の多い練り製品の場合。ヤマサちくわは、魚の持ち味や旨味、食感を味わうために、最後に入れて温まったら早めに食べるのがおいしくいただくコツです。その点、伊賀焼土鍋は保温効果がバツグンなので、火を止めても余熱で十分熱々のままいただけるのがいいですね。

 ヤマサちくわの「でんでんおでんの会」では、醤油・味噌・エスニックの定番3タイプのほか、バラエティに富んだおでんが月替りで楽しめます。公式オンラインショップから購入できます。

● でんでんおでんの会


佐藤: 食いしん坊(げんび〜)が考えることなので、「これもおでん!?」といった変わりダネも多種多彩にあります。カレー味やトムヤムクンなどエスニック系、クリーム系をはじめ、豊橋が日本一の生産地である「エディブルフラワー(食用花)」を使ったお鍋も、華やかでヘルシーと人気です。

堀田: とても綺麗で、花の種類によって味わいや栄養分が異なるところも面白いですね。鍋料理だとたっぷり食べられ、抗酸化や豊富なビタミンなど女性に嬉しい食材として注目されています。

● GEN-B 旬の料理帖 旬の素材花鍋風ちくわおでんしゃぶしゃぶ


佐藤: 自動車だけでなく、東三河は農業も盛んで、日本屈指の生産量を誇る食材も豊富です。長引くコロナ禍において生産者さんを応援する意味も込めて、ヤマサちくわの練り製品の技術を活かした商品開発も、積極的に手がけています。
これからの季節は、「青じそ」。これも豊橋が日本一の生産量で、さまざまな練り製品やレシピでお楽しみいただけるよう提案しています。

● GEN-B 旬の料理帖 旬の素材【青じそ・大葉】#08/レシピ


伊賀焼の遠赤外線効果を実感! バラエティに富んだオンラインショップもご紹介。

 おでん、燻製の仕上がりとほぼタイミングを同じくして、<あぶり名人 >でくるくると回しながらひたすら焼き続けていた堀田さんのちくわも、ふっくらこんがりきつね色に焼きあがり、完成!

竹村: 「まるでヤマサちくわの長さに合わせたかのよう」というぴったりサイズの卓上電気コンロは、電熱器を陶板で囲むことで遠赤外線効果を生み出しています。冒頭のビデオで拝見した、ヤマサちくわ工場の焼き台と同じ構造ですね!この焼き色にもこだわりがあるんですよね?

佐藤: 「皆さんがイメージする両端が白い焼きちくわは、実はヤマサちくわがオリジナルです。江戸時代に塩の道を通じて長野へとちくわが運ばれ、明治になってからは他地域からも多くのちくわが流通し始めたことから、「一見して豊橋のちくわとわかるよう、目印をつけてほしい」と注文されたことが始まりです。
ヤマサちくわの焼き色には、醸造文化が盛んな愛知県の美味しく上質な「みりん」も重要な役割を果たしています。素材が良いことで、皮がしっかりとした香ばしいちくわに仕上がるのです。

 チャットを通じて、参加者の皆さんからも質問が届きます。

「いぶしぎんのサイズは?」

「おでんに合うビストロ蒸し鍋以外の鍋を教えてください」

土鍋に関する質問には、商品を見ながらご説明。
長谷園のカタログやオンラインショップでもご確認いただけます。

● 長谷園 オンラインショップ


ちくわを焼く堀田さんの胸元に揺れる映像を見て、
「かわいいネックレスですね❤」というコメントも。

堀田: こちらの商品や社長が胸元に着けているちくわピンは、作家さんがひとつひとつ手作りで制作しているもので、ヤマサちくわオンラインショップでお買い求めいただけます!(笑)

 佐藤社長からは、2月に「ぴあMOOK中部」より発刊された『まるごとぜんぶ豊橋の本』をPR。

佐藤: 表紙にドーンと大きくちくわの写真を載せていただきました!(笑)先程お話しした豊橋の特産品やおいしいもの、手筒花火やお祭りなど、豊橋の情報満載の本です。

 参加者の皆さんからも「とても楽しかったです」とコメントをいただきました。ご参加ありがとうございました。

● 長谷園 オンラインショップ


● ヤマサちくわ オンラインショッピング


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