ヤマサちくわ & Japanese Cuisine 桜丘
大好評シリーズ
| 開催日 | 2025年10月26日(日)12:30〜15:00 |
|---|---|
| 場所 | セルリアンタワー東急ホテル(2F)・日本料理「Japanese Cuisine 桜丘」 東京都渋谷区桜丘町26-1 https://www.tokyuhotels.co.jp/cerulean-h/restaurant/sakuragaoka/index.html |
| お話 | ヤマサちくわ株式会社 七代目 代表取締役 佐藤元英 https://www.yamasachikuwa.com/ セルリアンタワー東急ホテル 名誉総料理長 福田順彦・桜丘 調理長 鶴田 敬 |
| お食事 | 日本料理コースメニュー/ちくわ焼き上げ体験/日本酒 2種(or ノンアルコールドリンク) |
| 協力 | 愛知県田原市:https://www.city.tahara.aichi.jp/ 愛知みなみ農業協同組合:https://www.ja-aichiminami.jp/ 有限会社エニシング:https://anything.ne.jp |

実りの秋、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにて、今年で第4回目となる人気イベント「穂の国とよはし・東三河の歴史と食文化のランチセミナー」が開催されました。
このイベントは、文政10年(1827)創業の豊橋名産「ヤマサちくわ」と、同ホテルの日本料理「Japanese Cuisine 桜丘」がタッグを組んだ特別なランチセミナーです。
あいにくの空模様でしたが、「これが毎年の楽しみ!」というコアなファンも増え、今回も多くのお客様がご参加くださいました。


食材選びからお献立づくり、当日のサービスやオペレーションなど、何ヶ月も前から準備を重ねてきた桜丘スタッフとヤマサちくわ。4回目の開催ともなると、チームとしても阿吽の呼吸感が生まれます。



まずはヤマサちくわ株式会社 七代目佐藤元英社長、セルリアンタワー東急ホテル福田順彦名誉総料理長と桜丘の鶴田敬調理長が揃ってご挨拶。すっかりおなじみとなった「こんちくわ!」の一声とともに、東三河の魅力を五感で楽しみ尽くす宴が幕を開けました。




今回の食材テーマ地域は、東三河の南端に位置する「田原市」。黒潮の影響で温暖なこの地は、野菜や果物、海産物が豊富な食材の宝庫です。今回は田原市および愛知みなみ農業協同組合のご協力により、キャベツ、渥美プレミアムラスサーモン、うなぎ、あさり、青梗菜など、選りすぐりの旬の食材が渋谷に届きました。田原市と渥美半島の魅力について、田原市東京事務所 渡邉康統所長からもPRをしていただきました。

会場入り口でお客様をお出迎えしたのは、豊橋の伝統産業である「帆前掛け」です。『前掛け専門店Anything(エニシング)』代表・西村和弘氏のご協力により、今回は浮世絵シリーズやフランス作家シリーズなど、アートな前掛けが会場に華を添えました。



西村代表からは、豊橋が前掛けの産地となった歴史的背景が語られました。
「三河・遠州地域はもともと綿花の栽培が盛んでした。そして何より、トヨタグループの創始者・豊田佐吉翁やスズキの鈴木道雄翁など、この地から織機を発明する偉人が輩出されたことが、繊維産業の発展に繋がっています」。
エニシング×ヤマサちくわのグッズコラボも、着々とファンを増やしています。




この日は、佐藤社長をはじめ、福田順彦名誉総料理長と桜丘の鶴田敬調理長、東急ホテルのスタッフの皆さんもオリジナルの帆前掛けをキリリと締め、職人の魂を継承するスタイルでおもてなしを行いました。


セミナーの冒頭は、ヤマサちくわ七代目・佐藤元英社長から、練り製品の歴史とこだわりについてレクチャー。同社は2027年に創業200周年を迎えますが、練り製品自体の歴史はさらに古く、文献への初出は1115年にまで遡ります。

「ちくわや蒲鉾の最大の特徴は“テクスチャー”を楽しむことです。世界的に見ても、弾力や喉越し、歯切れの良さをこれほど楽しむ食品は稀有な存在です」と佐藤社長。
この独特の食感を生み出すために欠かせないのが、原料へのこだわりと伝統技法です。「鉛は金に変わらない」というモットーの通り、ヤマサちくわでは、出来るだけ鮮魚から自社で加工することにこだわっています。特に重要なのが、日本独自の「水晒(さら)し」という工程です。
「魚の身を水で洗うことで、生臭さや脂肪分、そして弾力を阻害する水溶性タンパク質を取り除きます。これを程よい加減で行い、石臼で塩と共に練り上げることで、網目状のタンパク質構造ができあがります。これが、私たちが“アシ”と呼ぶ、快い弾力の正体なのです」

900年の歴史の中で培われた知恵と、現代まで守り抜かれた製法への熱い想いに、参加者の皆様も深く頷きながら聞き入っていました。

レクチャーの後は、お待ちかねのお料理です。鶴田調理長が田原市の食材とヤマサちくわの製品を見事に融合させた特別献立が登場しました。
「今回一番の創作は〈ちくわのワッフル〉です。〈白ちくわ〉をワッフル状に焼き上げ、田原産の鰻蒲焼きと合わせました。静岡の『トリイソース』〈山椒ソース〉でお召し上がりください」と解説。また、キャベツのすり流しには〈黒胡椒豆ちくわ〉などヤマサちくわとのコラボレーションでおなじみの〈クラタペッパー〉が添えられ、風味のアクセントに。お皿が運ばれるたび、「どんな味わい?」とワクワクが途切れません。


| 【先付】 | *渥美プレミアムラスサーモン/*無花果/*しらす/○エディブルフラワー *大葉ピュレ(彩農園TAHARA DIP SHISO)/香味野菜/塩昆布 |

| 【二菜】 | *キャベツのすり流し 豆乳豆腐/隠元/焼ミニトマト/クラタペッパー 〈白ちくわ〉のワッフル *鰻蒲焼き 練り玉/山椒ソース(トリイソース ) |

| 【三菜】 | 〈上揚半〉茄子の挟み揚げ チーズ/コチュジャン味噌/獅子唐 鯛のかぶら蒸しきのこ餡かけ 山葵/クコの実/銀杏 |
| 【食事】 | 新米釜炊きご飯(愛知県新城市四谷千枚田産ミネアサヒ) *海苔佃煮/*渥美沢庵 *田原牛と松茸のすき煮 〈白はんぺん〉〈うずら巻〉/九条葱 赤出汁 |



| 【水菓子】 | 〈と・と・たま〉のきんとん ○ 柿(百年柿園ベル・ファーム「甘柿 輝太郎」 |
これらのお料理に華を添えたのが、愛知県の2種類の日本酒。ひとつ目は〈田原の銘酒「純米大吟醸 優」〉。スッキリとした辛口で食事を引き立て、香りも楽しめる一杯です。田原市内で契約栽培したお米を100%使い、福井酒造株式会社(豊橋市)で醸造している生まれも育ちも東三河、正真正銘の地酒です。


ふたつ目は奥三河〈蓬莱泉「特別純米 ひやおろし」〉。春に搾ったお酒を秋まで寝かせたもので、熟成されたお米の旨味が特徴です。東三河の風土が生んだ美食と美酒のマリアージュに、会場の会話も弾みました。


GEN-Bイベントのハイライトは、佐藤社長による実演と参加者全員による「ちくわ焼き体験」です。この日のために、今が旬の高級魚「イトヨリ」をふんだんに使った特製すり身を用意。


「イトヨリは非常に良い出汁が出るので、余計な調味料はいりません。素材の味を最大限に活かしました」と語りながら、手際よく竹にすり身を巻いていきます。それを参加者の皆様が順次受け取り、炭火の上でくるくると竹を回しながら、焼いていきます。ちくわがお餅のようにぷっくりと膨らみ、香ばしい焦げ目がつく過程を体験。
「焼きたてのアツアツは最高!」「魚の香りが全然違う」と、自分で焼いたちくわの味に感動の声が上がりました。















宴の結びとして、そしてこの日の最も大切なメインイベントとして提供されたのが、食事の要となる「お米」です。愛知県新城市にある「日本の棚田百選」にも選ばれた『四谷の千枚田』にて、ヤマサちくわ社員やGEN-B参加者はじめ、セルリアンタワー東急ホテルのスタッフも5月の田植えから参加し、9月に稲刈りを行って収穫したという特別なお米。手間ひまかけて天日干し(はざかけ)で乾燥させ、旨味を凝縮させた〈愛知県産ミネアサヒ〉の新米を、大きな羽釜を使って一気に炊き上げました。


蓋を開けた瞬間に立ち上る湯気と甘い香り。ピカピカに輝く炊き立てのご飯を皆でいただく瞬間は、まさに大地の恵みを分かち合う、この会ならではの感動的な体験となりました。


デザートには、豊橋の『百年柿園ベルファーム』から、この日のために最高の状態で調整・出荷された新品種〈輝太郎(きたろう)〉が登場。まだ市場に出ていない非常に珍しい柿で、驚くほど甘いと評判の逸品です。稲刈りツアーの際にも、この柿園を訪れ、食べ比べを楽しみました。


GEN-Bでは、田植えや稲刈りの際に、こうした東三河・奥三河の“うまいもん”を目指して、満腹中枢完全無視であちこちを巡ります。食いしんぼうは要チェック!のツアーなのです。


こうして一年を通して、豊かな旬や美味しいものと出会い、語らい、笑顔を結ぶ。GEN-Bらしい温かく充実した1日となりました。お帰りのお土産には、ヤマサちくわ自慢の〈伊達巻〉が一本!
伊達巻は、お正月特別限定商品はもちろん、通年でも販売しています。おせち料理だけでなく、ちらし寿司やデザートアレンジなどにも人気です。

生産者、料理人、そして食べる人がひとつの輪となって、豊かなひとときを共有し、東三河の風土を感じてもらえる機会を、来年もどんどん企画していきます。どうぞご期待ください。