GEN-B 旬の料理帖

秋の旬魚【(えそ)】 #02

練りものの高級素材は、魚醤としても天下一品。

 「Appearances are deceptive.(外見はあてにならない)」という意味の英語のことわざがありますが、「ワニエソ」「トカゲエソ」といった異名を持つ【鱠-えそ-】もまさしくその通り。ウロコで覆われた体表にはぬめりがあり、目の下まで裂けたように開く口には小さな歯が並び、まるで爬虫類といった形相です。その上硬い小骨が非常に多く、骨抜きに相当な手間がかかるため、一般家庭向きではないことから、スーパーなどの店頭に上がることはほとんどありません。

 ところがこの鱠、実はクセもなく上品な味わいの白身で、舌触り・食感も良く、すり身は高級蒲鉾などに重宝される“お宝魚種”。ヤマサちくわには、グチ、ハモと並び、近海で獲れる鮮度の良いエソが主な原料として使われています。

 エソは水深100mより浅い砂地に生息する深海魚で、千葉県~九州南岸の太平洋沿岸や若狭湾などの日本海、東シナ海など比較的暖かい地域に分布しています。春から夏にかけてが産卵期で、特に8月〜10月頃に多く獲れるそうです。

 ヤマサちくわでは、このエソのおいしさをあますところなく生かそうと、地元老舗醤油メーカー「イチビキ」との共同で、風味絶佳な魚醤〈えそ醤油〉を開発。キレとコクのある味わいを、おでんのだしにつけ醤油にと、多彩な料理でぜひ味わってみてください。

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