GEN-B 旬の料理帖

夏の旬魚【(はも)】 #01

ふんわりはんなり、豊富な滋養で夏を応援。

 「梅雨の水を飲んで育つ」「京都祇園の祭鱧(まつりはも)」と言われるように、関西の初夏の風物詩といえば旬魚【鱧-はも-】。6~7月の産卵前の時期は、身もやわらかくおいしくなると言われ、この時期の京料理には欠かせません。実は晩秋にも旬がある鱧ですが、初夏ならではのふんわりはんなりとした味わいは、やはり格別です。

 国産鱧の主な産地は、兵庫や徳島、愛媛など瀬戸内海産、山口県、長崎県など。かつて海から遠い内陸部の京都へも鮮度を落とさず運べたほど、生命力の強い魚として、皮膚の老化予防につながるコンドロイチンやビタミンAの成分が豊富で、滋養にも美容にもうれしい食材。大阪ではすり身で蒲鉾などがつくられますが、神戸ではすり身を杉板にのせて生のまま焼き上げる “焼きとうし”、四国などでは一度蒸してから焼く“はも板”といった練り製品としても親しまれています。

 豊橋名産のヤマサちくわでも、エソ、グチと並んで、鱧は昔からヤマサちくわの味を作る重要な魚種のひとつ。旬の産地から届く新鮮な鱧を職人がすばやくさばき、ちくわや蒲鉾、鱧そぼろなどに使われます。鱧の旨みを生かした練りものを、多彩なアレンジでお楽しみください。

旬のレシピ

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