GEN-B 旬の料理帖

旬の素材【七味唐辛子】 #07

おでんの個性を引き立てる「なないろ」風味。

 冬の風物詩、あったかおでんの薬味といえば、まずは「和からし」が定番中の定番です。東海地域(愛知・岐阜・静岡)では、「赤味噌だれ」も根強く、コンビニおでんでも和からし・味噌だれはほぼ全国共通のようです。
 九州の「柚子胡椒」も、近年は人気上昇。他にもご当地おでんの種類によって、東北地方の「しょうが味噌」、関西地方の「しょうが醤油」など、“おでんのおとも”も様変わりします。
 地域を問わず、意外に多いのが「七味唐辛子」派。江戸時代に両国の医者・薬問屋の多い地域で売り出されたことから、別名「薬研堀(やげんぼり)」「七色(なないろ)」とも呼ばれることもあります。
 “七味”は、主に赤唐辛子、粉山椒、黒胡麻、芥子の実、麻の実、陳皮、青のりなど、七種の原料をブレンドしてつくられる和風香辛料。料理の風味を引き立てるだけでなく、毒消しや食欲増進、消化吸収促進などさまざまな効用があり、配合、挽き方などによっても変化する奥深いスパイスなのです。
 だし・味噌いずれでも、おでんにひとふりするだけで豊かな香りと辛みが立ち上り、食欲も体温もアップ。この冬は、「MY七味」にこだわってみませんか?

*七味唐辛子『やまつ辻田』 https://www.yamatsu-tsujita.com/
明治35年(1902年)創業。江戸時代、泉州地方に伝えられた国産の希少品種「堺 鷹の爪」(なにわの伝統野菜認定)を四代に渡り守り続ける老舗和風香辛料専門店。

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