GEN-B 旬の料理帖
旬の素材【ところてん】 #21
ちくわと好相性!ヘルシーな夏の風物詩。
夏の風物詩、ところてん。その透明感とつるりとした喉ごしは、暑さに疲れた体と心に癒やしをもたらしてくれます。海藻の天草(テングサ)を煮溶かして固め、麺状にしたもので、その歴史は古く、奈良時代の木簡にも「心太」として記録があり、仏教伝来とともに精進料理の一部として伝わったとされています。
海藻由来の食物繊維をたっぷり含み、ほとんどカロリーがない上に、豊富な食物繊維とミネラルを含み、腸内環境の改善や血糖値の安定、コレステロール値の低下など、さまざまな健康効果が期待できるとして、近年あらためて見直されされつつあります。
酢醤油でさっぱりといただく関東風、黒みつで甘味として楽しむ関西風。それぞれに根ざした食文化があり、トッピングや薬味次第でちょっとした副菜として和え物に仕立てたりなど、クセが少なく、組み合わせる素材の個性を自然に引き立てる点も特徴です。
特にちくわや練りものとの組み合わせは、ところてんのつるりとした食感に、ほどよい塩気と弾力が実に絶妙。どちらもあっさりしているので、きゅうりやみょうが、青じそなどの香味野菜を合わせて、さっぱりした一皿にするのもおすすめです。また、ごま油や柚子胡椒で風味を足せば、味わいのバリエーションをより豊かにします。
植物性でグルテンフリー、腹持ちのいいところてんは、暑さで食欲が落ちる季節にも食べやすいのが嬉しいところ。この夏は、手軽に楽しく、ヘルシーな定番として毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょう。
旬のレシピ
- 料理制作:フードコーディネーター 岡嶋芳枝(yoshie okajama)
- 料理撮影:フォトグラファー 三浦藤一 (toichi miura)