GEN-B 旬の料理帖

旬の素材【夏の酸味】 #13

“すっぱい料理”で元気に夏越し。

 日本の夏は高温多湿。蒸し蒸しする日や食欲のない時は「さっぱりしたものが食べた〜い」と体が自然に欲します。明治時代の食医・石塚左玄著『食物養生法』では、「春苦味、夏は酢の物、秋は辛味、冬は脂肪と合点して食え」と説かれています。
 “すっぱい料理”によく使われるのが、食酢(米酢などの穀物酢・黒酢・リンゴ酢、ワインビネガーなど)や柑橘類(レモン・すだち・ミカンなど)の果汁。発酵作用によりつくられる【酢酸】も、梅干しや柑橘類に含まれる【クエン酸】も、爽やかな酸味と香味が、食材や料理の風味を引き立て、唾液や胃液の分泌を促し食欲を回復させてくれます。また、疲労物質である乳酸の蓄積を抑制してくれる作用もあるなど、夏バテ防止には欠かせません。
 暑いからと冷たいそばやそうめんなど麺類中心に済ませていると、ビタミンやたんぱく質不足になりがちです。そんな時に手軽なのが、低カロリーで良質のたんぱく質を含む【ちくわや練りもの】。酢やレモンなどの柑橘、梅干しなどの「酸味」をプラスして、健やかに“夏越し”をお過ごしください。



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