GEN-B 旬の料理帖

旬の素材【縁起食】 #15

冬の滋養で新たな年を健やかに。

 あらたまの年を迎える冬の時期は、とりわけ縁起やゲン(験)をかつぐ食材、料理にあふれています。一年の厄を断ち切り、息災と長寿を願う【年越しそば】。三が日にいただく縁起ものづくしの【おせち料理】。蒲鉾は、紅「魔除け」、白「清浄」の意味から邪気を払い、さらに半月に切って元旦の日の出を表します。華やかな伊達巻は、巻物にちなんで知恵を授かるとして、「学業成就」を願います。
 【お雑煮】は、平安時代より神饌(神への捧げ物)とされたお餅を新年最初の水と火で煮たことに由来し、収穫への感謝と豊年への願いが込められています。愛知では “名(菜)を持ち(餅)上げる”として、「もち菜」を入れます。
 1月10日のえびす講「十日えびす」は、商業漁業農業の祭祀です。かつて魚市場のあった豊橋市魚町に本店を構えるヤマサちくわでは、白いまんまるのはんぺん【満月(丸半)】を必ず食したとか。寒さ極まる「大寒」(2024年は1月20日(土)〜2月3日(土)節分)には、入りの初日に生まれた【大寒たまご】をいただくと滋養豊富で「無病息災」、黄身の濃さから「金運アップ」!として願掛けも。新旧さまざまな縁起食を囲んで、豊かに愛で食べ、健やかな一年にしたいですね。


● 和食伝聞帖 第2回「ハレ」の練りもの、いまむかし。

● 旬の料理帖 満月のお雑煮(2019年冬)

● ヤマサちくわ オンラインショッピング

旬のレシピ

  • 料理制作:フードコーディネーター 岡嶋芳枝(yoshie okajama)
  • 料理撮影:フォトグラファー 三浦藤一 (toichi miura)
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